イルカに乗った人事マン

人は輝くSUN社員 ~舞台裏の熱い人事メモです!

外来種「目標管理」は、いい加減でいい。

  今から10数年前に、大量に国外から持ち込まれた「外来種

 いまだに、その繁殖は維持している様子である。

 なかなか、健全に、その土地で受け入れられていないのも真実。

 今日は、その「外来種:目標管理制度MBO」に視点を当ててみよう。


 いちど目標を決めたのなら、それを達成することが

 華やか評価につながるように思われているが、果たしてそうだろうか?


  少しずつ、目標達成の階段を昇ってきたら・・・

 いったん、昇ることが出来た階段の位置は、

 それがどんなに苦しくて、困難な過程を経てきても

 また、再現できるだろうという前提に置かれてしまう。


 その会社からの期待値や責務にちかいものは、

 毎回、評価期間において、本人を苦しめることになりかねない。

 いちど昇った階段は、自分から降りてもいけないし、会社から

 数字を預かった上司においても、過剰な期待をもとに

 部署目標を上乗せしているから、過去実績は崩してもらうわけにいかない。



 そうして、部下の過去の貢献は、本人も上司も両者を苦しめていく

 部下が弱音を吐いて、ギブアップするようならば、上司がそれを

 肩代わりして、期限までに躍起になって 駆けまわる。

 プレイングマネージャーの”プレイ”の部分だけを偏重するため

 部署のコントロールや指揮命令までが、崩れていくことになる。



 したがって、目標管理は 適度な背伸び(ストレッチ)の設定をして

 ぎりぎり、未達成のほうがゆるやかで、確実な成長の可能性がもてる。

 毎期ごとに、目標設定がくり上がっていくのは、超一流の上位10%の

 アスリート人材だけに適合すると思った方がいい。



 「夢を追いかける」のは素晴らしいこと。そんな人生で有り続けたい。

 だが、「夢に固執するのは不幸な人生」となりかねない、恐れがある。

 本人の許容量を超えて、身の程知らずの期待を抱いて

 時間もお金も、労力もそこへ注ぎ込んでしまう。

 ごくごく一部の成功者は「夢をもって。自分を信じれば、必ず叶う」

 この幻想に「囚われて(とらわれて)」しまうことで、家族や身内までが

 大きな犠牲となって、巻き込まれてしまうことだってある。

 ほどほどの「いい加減」がいいんです。

 ほどほどの「いい下限」があるといいんです。

 限界をめがけて、突っ走ることは、瞬間速度で優るだけであって

 持続的な 高値安定の実績にはつながらないということです。

 個人がそうであるから、会社組織だって全く同じですよね。