イルカに乗った人事マン

人は輝くSUN社員 ~舞台裏の熱い人事メモです!

あきらめることは・・・大事

いまや、成功物語ーーー夢を叶える商業サービスが蔓延している。

テレビCM、雑誌広告、新聞広告、折込広告、車内広告

目にするところ、あちらこちら



「若返り、アンチエイジングはあなたにも・・・」

「黒い髪がふさふさ、人生が変わった」

「あきらめるのは、まだ早い。過払い金請求」

「偏差値20アップ!君も一流大学へ」

「自分らしさを活かす、勇気ある転職」

「あなたには、最高の出会いが待っている」

「1ヶ月で8kg減量できた!食べながらやせる」



いくつも、あげだしたらきりがないほど、

消費者として、誘い言葉に洗脳されそうになる。

人間の心理にある、不足感 不満感、ときに劣等感

それらのマイナス心理をつついて、成り立つコンプレックスビジネス。


それらの商売を全部否定するつもりは、もちろんありません。

美容と健康、教育、結婚、生活改善など・・・どれも大事な事ですから。


ただし、お金を出せば、あるいは提案された手法を盲目的に

信じこんで、安易に理想実現というのは、短絡的すぎると思うのです。


自らの努力や継続的な習慣づけを、抜きにして結果だけを

熱望するというのは、無茶なところがあります。


そして、「夢はあきらめたら、それで終わり」という断言口調と

一方で「夢はあきらめなければ、かならず叶う」という成功者の言葉。

この両方向からのせめぎ合いによって、自分の逃げ場が無くなってしまう。

負けを認めたくはない、敗者やはみ出し者にはなりたくない。

自分を「否認」すること、弱みを認めることを、大胆に嫌う傾向にあるようです。


この原理原則だけに、しがみつくことによって、本来の努力が伴っていない

現状の自分を冷静に分析できていない場合が多いのです。


家族を巻き込んで、多額のお金を注ぎ込んで、ときには友人知人を

誘い込んで、不良商品やいかがわしい商法の犠牲になる場合もあります。


このような「夢売り商売」よって、結果が出ない場合の、精神ストレスはまた増幅していくのです。

世の中の「学校教育」が、そして「医療介護」が、「職場環境」までが

多種多様な形態として、選択肢(豊富なメニュー)を塗り替えることの早さを競い合う。


世の中が、~顧客サービス化~している実態が、多くの人々の欲求を高ぶらせて

それが、適わないときには、心のなかにつのる不満のやり場がなくて・・・


その結果として、一部の消費者たちは

モンスターペアレントになり、モンスターペイシェントに凶変してしまうこともある。

介護施設の現場での、ハラスメントの実態には深刻なものがあると聞く。

職場では、仕事能力の無い、責任転嫁型の社員が、「つまんない仕事はしたくない」

「もっと、自分を評価してくれ」と、自己主張は激しくなる一方で手に負えない。


世の中が、「甘い蜜のある言葉」を浴びせてきても、過剰に夢を追い求めることで

マイナスの心理状態に追い詰められることもありえるのです。


潔く、きっぱりと身をひるがえすことは、恥じることでは無い。

それが、賢明な選択であることも頭に入れて、方向転換をすればいいのです。

冷静になって、長い見通しをたてて、何が大切か見なおしてみましょう。


もっと肩のチカラを抜いて、「いい・加減」であったほうが人間らしいから。

それが、ちょうど「良い・加減」といえるのです。